単品怪談

人生いろいろ (実話)


悪態を付いたあげく 1999年8月

 1999年8月13日、神奈川県・玄倉川中州でキャンプしていた18人が、関東地方を北上した弱い熱帯低気圧による大雨で増水した川に流され、4人は救助されたが、13人が死亡、1人が行方不明。

 当時、現場流域にはすでに警報が発令され、川でキャンプしている家族等に対して、注意を呼びかけるために車が巡回していた。
 中州に取り残された家族に対しても、同様に警告された。そのとき、たまたまニュース取材のクルーも同行していて、その様子が記録されている。

 注意を受けた家族のうち、何人かはキャンプを中止して引き上げたが、ほとんどはそのままキャンプを続けた。
 その際、警告した係員に対し、

「わかってる」
「よけいなお世話だ」
「ほっといてくれ」

 などとさんざん悪態を付き、係員もさじを投げて現場を引き上げた。
(その様子も記録に残っている)
 数時間後に再び係員や取材クルーが戻ったときは、すでに中州はほとんど水没し、家族を救助するすべは何もなかった。
 家族たちは、悲鳴を上げながら、濁流に呑み込まれていった。

人の注意はすなおに聞かなきゃ。
死んだ子供に罪はないが、どうしようもない親に生まれたことが不幸であった。

今日は楽しいそり遊び 2004年10月

 10月11日午前7時ごろ、広島県尾道市栗原町、県立びんご運動公園内の「ジャイアントスロープ」(長さ70メートル、幅33メートル)で、同県呉市の主婦(31)と二女(7)が乗ったプラスチック製のそりが斜面下の滑り止めマット(高さ60センチ)を乗り越え、約4メートル下の管理道路に転落した。

 主婦は頭を強く打ち、12日午後、搬送先の病院で死亡、二女は意識不明の重体。

 スロープは、人工芝を張った最大23度の斜面を滑り降りる施設。2人は家族と公園内のキャンプ場でキャンプ中で、持参したそりで滑っていたが、雨上がりでスピードが出やすくなっていたらしい。
 通常は公園がそりを貸し出しており、雨上がりの利用やそりの持ち込み、2人乗りを禁じた看板を3か所に立てていたが、立ち入りを規制するさくはなく、利用時間(午前9時―午後5時)外も自由に出入りできる。

雨上がりの利用禁止→雨上がりだった
そりの持ち込み禁止→持ち込んでいた
2人乗り禁止→2人乗りしていた

トリプルスコアだもんなあ。身から出た錆だし、それはいかんでしょ。

たかが牛丼されど牛丼…… 2004年9月

 9月12日、墨田区東向島のマンションで、マンション住民の男性(36)が胸や背中十数カ所を刺され、死亡した。
 12月11日、警視庁向島署特捜本部は牛丼店店長右近勝久容疑者(26)を殺人容疑で逮捕した。

 調べによると、右近容疑者は9月12日昼ごろ、墨田区東向島の本間さんの自宅マンションを訪れ、応対に出た男性を持参したナイフで殺害した疑い。
 右近容疑者は「販売した弁当が横になっていたとしつこくクレームをつけられ、頭にきて殺した」などと供述しているという。
 被害者は事件前日から当日にかけ、右近容疑者の牛丼店に十数回電話をかけ、8月下旬以降も数回、右近容疑者を呼び出して謝罪を求めていたという。

そりゃまあ、殺人は悪いよ。悪いけどさ。
いい年して、たかが牛丼でそこまでクレームを付けるヤツもどうかと思うぞ。
そんなに牛丼が好きで好きで仕方がなかったのかねえ。
チェーン店の牛丼が好きなんて、自分が貧乏舌だと言っているのも同然なんだが。

中絶プレイ 2004年11月

 11月24日、119番の知らせを受け、宮城県石巻市の民家に消防署員が入った。
 室内では石巻市在住の無職女性(29)が、腹部を刃物で切開された状態で苦しんでいた。
 消防署員はただちに女性を病院に搬送し、女性は一命を取り留めた。
 女性は妊娠しており、腹部の傷は子宮にまで達していたが、胎児も生命に別状はなかった。

 女性は独身で、妊娠7~8カ月。法的に中絶できる6カ月を過ぎていた。
 事件の数日前に携帯電話のインターネットの医療相談掲示板に「おなかが大きくなりすぎておろせない」などと書き込み、それに応じた男性が執刀したという。
 男性は埼玉県新座市栄4、無職山下仁志(30)で、「何度も同じような中絶をしたことがある」などと持ち掛けた。山下容疑者は医師免許を持っておらず、医療関係の仕事の経験もなかった。
 女性は「都内の有名病院に勤めている」という山下容疑者を信用し、身分を確認せずに知人宅に招いた。
 手術は知人宅の室内で行われた。
 傷は長さ10センチ以上、深さ5センチ以上で子宮まで達し、医療用の糸で縫い合わせてあった。男の自宅からメスのような刃物やはさみが見つかったという。

いい年して、7カ月や8カ月までほっておく女も女でしょ。
中絶手術の依頼をネットでやるっつーのもねえ。おバカ。

「またか」とため息 2005年2月

 2月11日午前10時頃、宇都宮市下砥上町のJR日光線の踏切で、宇都宮発日光行き普通電車(2両編成)と乗用車が衝突、乗用車の4人が死亡した。

 宇都宮南署によると、死亡したのは宇都宮市、会社員の男性(55)、その妻(47)、長女で無職(20)、二女で無職(19)の4人。電車の乗客約100人にけがはなかった。

 現場は遮断機、警報機のない幅約1・7メートルの踏切で、二輪車と小型特殊車両以外は通行が禁止されている。運転士の話では、電車が時速約95キロで走行中、乗用車が一時停止せずに踏切に進入してきたという。電車は乗用車の右側面に衝突し、約200メートル引きずって停車した。

 近所の農業主の男性は「またかと思った。この踏切ではよく事故があるんだ」と語る。今回の事故のように南側から北側に抜けようとすると、右手の雑木林で電車が死角になるという。
 近所の運送業の男性は「そんなに急ぐ必要はなかっただろうに。回り道をすればよかった」と、原形をとどめない車を見つめた。

この事故、ネットで調べていたら、ある掲示板に「娘二人は無職だし、心中だったんじゃないか」なんていう書き込みがあった。
もちろん、事実は不明。

駐車場にて 2005年4月

 4月11日、大阪市中央区北浜4丁目にある時間制駐車場の従業員が、駐車中のミニバン車内で男性が自殺しているのを発見。大阪府警・東署に通報した。
 同署員がミニバン車内を確かめたところ、中央部の座席に横たわるように倒れた状態で死亡していた。

 車内には練炭を燃やしたと思われる七輪や遺書などがあり、遺書の内容から門真市内に在住し、3月20日頃から行方がわからなくなっていた56歳の男性と断定された。
 男性は死後約3週間。
 発見されるまで、誰も男性が死んでいることに気づかなかった。
 男性が駐車場に入場したのは3月20日深夜。家族に当てた最後の電話が3月21日未明にかけられていることから、その直後に自殺を図ったと見られている。

新聞の見出しには「都会の死角」とあった。
ありがちな見出しです。

落とし物 2005年10月

 10月11日午前6時25分頃、パトロール中の埼玉県警高速隊が埼玉県川越市大塚新田の関越道下り線を走行中、中央分離帯に落ちている奇妙な物を発見した。
 採取された「それ」は、人の物と思われる右手や耳などであった。

 埼玉県警が調査したところ、同日午前1時50分頃、現場から約22キロ離れた東京都練馬区谷原の目白通りで、ひき逃げされたとおぼしき女性の遺体が発見されていた。
 同所でひき逃げされた遺体の一部が車に付着し、川越インター付近で落下したと考えられている。

その後被害者は70代の女性と判明したそうです。ご愁傷様です。

神社の床下に 2005年10月

 10月10日午前11時頃、福井県高浜町高野の青葉山東峰(693メートル)山頂の青葉神社床下に、人骨らしい物があるのを登山者2人が見つけた。
 小浜署署員が捜索したところ、白骨化した遺体を発見された。

 調べによると遺体は30~60歳、身長155~160センチの男性。寝袋に入った状態で、黒色防寒具やジャンパー、セーター、ズボンを着てカメラや鞄を持っていた。

 周囲には酒の空き瓶や缶詰の空き缶などが散乱。死後推定二十数年。外傷は認められず、死因は不明だが、同署は事件事故の両面で身元などの捜査をしている。

神社の床下に二十数年……よく見つからなかったもんだな。
ま、山頂にある神社だったら、普通はお参りするだけで、床下をしげしげと見たりはしないもんなあ。
自殺だったんだろうか。

ぐちゃっ 2005年10月

 10月27日午後6時半頃、広島県東広島市安芸津町三津、東証二部上場の電子材料メーカー「昭和KDE」安芸津工場で、試用社員(22)がプレス機に頭を挟まれて即死した。

その瞬間、「あ」と思っただろうか。


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